おみくじは縁をつなぐもの 結ぶには作法があります

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神社や寺院を参拝した際によく見かける物があります。

おみくじです。

おみくじは元々国の祭政に関する重要事項を決めるときに用いられてきたものであり、神意を占うために使われてきました。

最近では「明治という国の元号はくじ引きで決まっていた」というニュースを耳にしている方もいると思います。

今では神社などの至る所で複数の種類のおみくじがあり、おみくじの質が下がってきたのでは・・。と感じるおみくじもあります。

そして、おみくじを引いた人は大抵「縛る」という行動をして、様々なところに縛っています。

そんな方の心に留めてもらいたい子供の頃にお坊さんに聞いた話をまとめました。

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おみくじは順位を競うゲームではなく、引き方が重要です

おみくじには大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶・大凶の7種類が主流となっています。

種類や比率には決まりがなく、神社・寺院により種類や内容が違います。

鳥居が有名な京都の伏見稲荷神社などは通常と違うおみくじの種類があります。

ゲーム感覚で「何が出るかな〜」とおみくじをして、自分の理想と違ったらまたおみくじを引くのは当然間違っています。

おみくじは神意(神様の意志)を伺うことなので、くじを引くときはまず神様にお願いをして結果を真摯に受け止めます。

おみくじだけ引く目的でも手水舎で手や口を清め、お賽銭を納めて御神体が祀られている本堂で参拝をした後におみくじを引きます。

おみくじを引く前に「二礼二拍手一礼」などをする必要はありませんが、心の中で神様に占いたい事をお願いし「〇〇をよろしくお願いします」と願ってからくじを引きます。

基本、おみくじはこちらの問いかけに対しての答えです。

おみくじで「注目する部分」を大勢の人は知りません

くじの結果は神様が見た「今のあなたの状態と今後の状態」です。

「当たってる〜」

「えぇ〜何これぇ〜」

と声を出す方が多いですが神様から見たあなたの様子はそんなもんです。

大吉や凶の文字にはあまりこだわりません。

おみくじには吉凶悔吝きっきょうかいりんという易経の考えがあります。簡単に説明すると「吉が出たからと慢心していると凶になり、凶が出たときは己の行動を見直せば吉に転じる」と言う事です。

表面上の吉凶の結果のみを受け取り「大吉だった〜」「凶だった〜」と言う事に一喜一憂せずにその次に書かれている和歌漢詩を読み解きましょう。

書かれているその和歌が漢詩が神様からのお告げであり、最も重要です。

自分の現状を和歌の中に書かれている様子と置き換えて受け止めましょう。

なんども言いますが

おみくじに書かれている様子こそ今、ここの神様に見えているあなたの状態です。

そして、和歌の次に書かれている各項目は占った質問と照らし合わせてみることが重要です。

勉強について願ったのなら学業の項目。

恋愛なら待人の項目をを見ます。

質問した内容と照らし合わせて各項目を見る必要があります。

つまり

和歌を詠んで理解し、神に願った質問答えを確認する。

これがおみくじです。

「大吉」と喜び和歌を読まずに、神様に願ってもいない待人・旅行・争事・転居などに書かれた言葉に一喜一憂するのは間違っています。

おみくじは結ぶもので縛るものではありません

おみくじは結果が悪い時だけ結ぶものと思う方が大半だと思います。

基本、おみくじに悪い結果はありません。(凶や大凶の時は一瞬引きますが・・・。)

結ぶ時はどんな結果のおみくじを結んでも大丈夫です。

自分が良いと思った結果の人はさらに良い結果になるよう神様と縁を深める為に結びます。

自分が悪いと思った結果の人は悪い運をそのまま家に持ち帰らないで運を良くするために神様と縁を結び運を深めます。

つまり、おみくじを結ぶことは、「縁を結ぶことです。」

おみくじを結ぶ、結ばないに決まりはありません。

おみくじが動かないように縛るのはでなく、神様と縁を結ぶように結びましょう。

和歌の内容(神様からの言葉の真意)をすぐに理解できて、いつでも心に止めておく事が出来るようであれば結んでも構いませんが、内容を深く理解する為に持ち帰っても全然問題はないです。

お守りとして保管して持ち歩いても良いですし、たまに読み返しても良いです。

ちなみに、持ち帰ったおみくじが不要になった場合は神社などにある納札所に納めると礼を尽くすことが出来ます。

おみくじの結び方・結ぶ場所に決まりがあります

おみくじの結び方には1つの作法があります。

利き手と逆の手だけを使い結ぶ事です。

右利きの方は左手で、左利きの人は右手で結びます。

利き手ではない方で上手く結べたら神様との縁も結ばれるという事になり、神様と簡単に結ばれるわけではなく、1つの試練があります。

結ぶ時におみくじが破れると縁起が悪いので注意しましょう。(片手で結ぶのであまり破ける確率は低いです。)

また、どこにでも結んで良いという事はありません。

おみくじが設置されている場所には「おみくじ掛け」があります。

おみくじ掛けはおみくじをかける為専用の場所です。基本的におみくじはおみくじ掛けに結びましょう。

しかし、おみくじを木に結んである光景をよく目撃します。

木には生命力があり神様との繋がりも深いと考えて、境内のあらゆる木におみくじが結んである事がよくありますが、あまりい良いことではありません。

「この木に結んでも大丈夫です。」と指定されていたり、注意書きがある場合は木に結んでも良いかもしれませんが、おみくじを木に結ぶと枝の成長を損ねる可能性があります。

木に結びたい時は神社の神主さんなどに伺うのが一番良いと思います。

おみくじの雑学

おみくじは神社と寺院両方に設置されていますが、書かれていることが若干違うのをご存知でしょうか?

神社のおみくじには和歌が書かれ、寺院のおみくじには漢詩が書かれています。

明治時代に政府よにり神仏分離が発せられ神社と寺院は違うものを扱うようになりました。

最後に

以上が子供の頃に聞いて、今も心に残っている事です。

おみくじの捉え方には様々あり、考え方も色々だと思います。

その中の一例になりますが、ここに書かれている事も参考にしていただければ幸いです。