海に囲まれていない長野県で地元産のサーモンを食べれます。
「サーモン」という単語で「お寿司屋さんでよく見るあのサーモンでしょ」と思われた方。
信州サーモンはお寿司屋さんで食べるサーモンとは別の魚です。
鮭とも違います。
一度食べたらハマる「信州サーモン」の魅力を少しでも伝えられたら幸いです。
鮭ともサーモンとも違う信州サーモン
信州サーモンの説明の前に鮭とサーモンの違いをざっくりと説明します。
鮭とサーモンはそれぞれサケ目サケ科の魚で分類上は同じ魚です。
鮭は英語でsalmon(サーモン)と呼び世界的には同じようなものですが、日本人にとっては若干違います。
日本人の考える鮭は天然物で川で産卵して一度海に降り、10月〜12月頃に遡上してくる海水魚の事です。「白鮭」という種類が一般的で、基本的に加熱して食べます。
サーモンと呼ばれる魚は養殖された魚でアトランティックサーモンやトラウトサーモンが有名です。生で食べることが出来、お寿司屋で食べるサーモンはトラウトサーモンが一般的です。
信州サーモンは長年の研究で開発されました
信州サーモンは鮭よりもサーモンに近い魚です。
長野県水産試験場で約10年の歳月をかけ開発された養殖専用の淡水魚です。天然では存在しない魚です。
ニジマスのメスとブラウントラウトのオスを交配させて誕生しました。
両方の魚の良いところを受け継いだ魚
開発時には『ニジニジブラ』と呼ばれていましたが
サーモンを思わせる銀色の身体と紅色の身が特徴で
信州サーモンと名前がつきました。
普通、ニジマスとブラウントラウトを交配させても
その子供はほとんど死んでしまうそうです。
そこで長野水産試験場がバイオテクノロジー技術により
水圧により受精卵の染色体を増加させ、養殖3倍体を誕生させました。
ニジマスは父親由来の染色体を1セット、
母親由来の染色体を1セット持つ2倍体と呼ばれます。
その2倍体に水圧をかけ4倍体に増やし、その4倍体に
ブラウントラウトを交配させ3倍体が誕生するそうです。
少し前から話題になっている『遺伝子組み換え』とは異なる技術で、食品としての危険性は全くないそうです。
簡単に説明しましたが、実際に安定して生産できるまでにはものすごい苦労があったはずです。
信州サーモンは肉質の良いメスしか存在しません
生物はオスとメスの両方が存在するのが一般的ですが
信州サーモンは1つの性別しか存在しません。
信州サーモンは全てメスです。
長年の研究で、オスは成熟するとメスより肉質が落ち流ことが分かり、より良い肉質を追求した結果「繁殖能力を持たないメス」たどり着きました。
卵を持たない為、卵に使われる栄養が成長にまわり
通常よりも大きく肉質も良い魚になるそうです。
また、繁殖能力がないので万が一養殖場から外部へ逃げてしまっても生態系を乱すこともありません。
信州サーモンはお寿司屋で見るサーモンと違う味です
信州サーモンは見た目、食感、味が今まで味わったことのないサーモンです。
銀色の身体の中には紅色の身があります。
紅色のきめ細かく肉厚な身はトロっとした舌ざわりがあります。
口に入れた時に「濃っ!!」となります。
刺身、ムニエル、フライなど食べ方は色々ありますが。
刺身が一番美味しいです
淡水魚でここまで美味しい刺身に驚きます。
一口食べたら普通のサーモンとの違いに驚くはずです。
長野県では長野水産試験場のある中信地方の料理店でサーモン丼を良く見かけます。
長野駅周辺でもウインズ長野店さんなどでサーモン丼を楽しめます。
最近はネットでもよく信州サーモンを見かけます。
口の中でトロッととろける感じがくせになる 信州サーモンスライス/味噌漬け
最後に
約10年間信州サーモンを研究開発し生産して下さった
長野水産試験場の研究員の方々に感謝いたします。
美味しい信州サーモンをありがとう!!