りんごといえば何色を想像しますか?
大体の人は「赤」と答えると思います。
りんごといって思い浮かぶ色は赤ですが
赤くなるはずのりんごを赤くさせないりんごがあります
その名も『ムーンふじ』
ムーンふじには今までにない独特の食感と風味があります。
ムーンふじについてまとめてみました。
りんごには赤いりんごと青いりんごがあります
りんごの代表的な品種には
ふじ、つがる、秋映、紅玉などの赤いりんごと、
王林、ぐんま名月、シナノゴールドなどの
青色や、黄色のりんごがあります。
青いりんごは未熟で酸っぱいというわけではなく、甘いものもあれば品種により甘みが抑えられて適度な酸味がありシャキッとした食感のりんごがあります。
「ふじ」や「つがる」のりんごも赤く色がつく前は青(緑)色ですがその状態で市場に出ることはまずありません。(未熟なりんごは食べるとちょっと渋く感じます。)
最近、そのりんごに新しいりんごが追加されました。
その名も ムーンふじ
新しい品種ではなく収穫まで袋をかけて日光を遮断して栽培された「ふじ」りんごです。
「ふじ」は栽培方法の違いで呼び名が複数あります
ふじは栽培方法により呼び名が主に2種類あります。
1つは果実に袋をかけずに栽培する
無袋(むたい)ふじ
もう一つは果実に袋をかける
有袋(ゆうたい)ふじです。
袋と聞いてあまりピンとこないかもしれませんが、りんごに限らず、桃・梨などの果物は病害虫による被害を防いだり、薬剤散布の回数を減らしたり、発色を良くしたり・・・と様々な理由で袋を掛けて栽培することがあります。
その中でもふじは袋を掛けることで名前だけでなく味も変化します。
ふじりんごの「サンフジ」とは・・・
無袋ふじは太陽の光をいっぱい浴びて育つ為、サンふじ (太陽=SUN→サン)と呼ばれます。
スーパーなどでサンふじの名前で売られているりんごは無袋のりんごです。
一般的にサンふじは有袋のものより糖度が高く、蜜が入りやすいと言われます。
また、有袋のものより皮は硬くなります。
ふじりんごの「ふじ」とは・・・
有袋ふじは「サン」という文字がなく、ふじという名前で売られています。
有袋ふじは果実が小さい時から太陽の光を遮る袋を被せて遮光する為、枝ズレが起こりにくく、また病害虫から守ることができます。
青い状態のりんごに被せた袋を秋にはぐことで一気に赤い色がつきます。一気に色付けされるので無袋りんごより発色がよくなります。
無袋に比べ味が控えめになりますが、皮は柔らかいです。
病害虫などの影響が少ないので貯蔵性や保存性においては無袋のものより優れています。
新しい栽培方法で出来たりんごがムーンふじです
無袋・有袋でもない新しい栽培方法で誕生したのが
ムーンふじです。
ムーンふじは有袋ふじと同じように果実が小さい時から日光の光を遮るように袋をかけます。
そして、色付けのために普通なら剥ぐ袋を剥ぎません。
収穫ギリギリまで袋をはがないことにより黄色いりんごが誕生します。
太陽の光を浴びたサンふじと違い、太陽の光を全く浴びずに月のような色ふじりんご(月=MOON→ムーン)
ムーンふじと呼ばれます。
ムーンふじは収穫時まで日光を遮断しているので皮が薄く、果肉も柔らかです。
有袋ふじは秋に袋を剥いだ後、色付きをよくする為にりんごの周りの葉をとります。(葉摘)
しかし、ムーンふじは色付けする必要がないので葉摘をしません。
葉摘をしないことで太陽の光を浴びた葉の栄養分が収穫時までりんごに行き渡ります。
味は有袋・無袋とは少し違う味になります。
一番の違いは柔らかさです。
収穫時まで袋により守られている為、皮が薄く、果肉は柔らかです。
普通のふじと比べて果肉が柔らかく若干スカスカしている感じなので、長野の方言で言う「ボケたりんご」と感じるかもしれませんが、全く違います。
例えるなら梨と洋梨のような食感の違いです。
生産農家が少なく市場に出ている数は少ないですが、見つけた際は食べてみてください。
サンふじ、ふじとはまた違った味が楽しめます。
購入の際に1つ注意点があります。
ムーンふじは収穫まで袋で守られていたので皮が薄く非常に傷がつきやすいりんごです。
購入した際は優しく取り扱ってください。
どこかにぶつかるとすぐに変色してしまいますよ。